第1章

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「何者だ、貴様は?」 さっきまでと違って恐い声色の王様。 その視線の先には、昼間に私を呼び掛けた"お母さん"。 「怪しい者じゃありませんよ。 娘を捜しに……」 「嘘を申すな! 貴様の目は濁りきっている。 この娘の母のはずがなかろうが」 「フン!どうせすぐ死ぬくせに、偉そうに。 あんたもろとも始末してやるよ」 そう言って、"お母さん"は胸ポケットから拳銃を取りだし、私たちに向ける。 ちがう違うちがう。 この人は"お母さん"じゃない。 私のお母さんはこんなことしない。 「キミ!」 考えはすぐに中断され、王様に呼ばれる。 「鍵を使うんだ! それで、キミは助かる」 「え、でも王様は?」 「なに、なんとかなるだろう。 さあ、早く使いたまえ」 「は、はい」 って、言われても、どうすればいいのよ。 鍵、鍵……ど、どこかの鍵穴にさすの? あ、 『~記憶の鍵穴を~』 記憶の、鍵穴……。 意識した瞬間、私の手の中に小さな箱が出てきた。 「な、やらせない!」 慌てて、謎の女が私に銃口を向けるも、王様が掴みかかった事で縺れ合い、銃口が定まらない。 今しかない。 これが記憶の鍵穴なら、お願い開いて! 私は、ゆっくり鍵穴に差し込んで、回した。 ~~~~~
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