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後日分かったことだけど、私は交通事故にあい、三日ほど生死をさ迷っていたそう。
私が目覚めたのは事故から一週間後のこと。
目覚める少し前、一度だけ容態が悪化したために、それからお母さんは付きっきりでいてくれたらしい。
ただ、お母さんが言うには、眠ってる私は、何かに怯える顔をすることもあったけど、ほとんどを楽しそうな笑顔だったという。
「どんな夢だったの?」
なんて、その後に幾度となく聞かれたけど、私は何一つ思い出せない。
とても大事で、
とても楽しくて、
とてもスゴい事だった気がするけど、
それらを思い出す事は出来ない。
チャリン。
とと、鍵を落としちゃったよ。
学校のロッカーの鍵を慌てて拾い上げる。
ーーあれ?
ありきたりな鍵のはずなのに、一瞬、それがすごい鍵に見えた。
でも、それはほんとに一瞬。
すぐに元の鍵に戻る。
「時子~!早くいこ?」
「あ、うん今行く」
待たせてる友達を追いかけ、私は駆け出す。
また鍵が光った。
窓から差し込む太陽の光を反射しただけだけど、何故か、それを妙に綺麗に感じた。
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