第1章

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走って、走ってやってきたのは広場のようなところ。 そこには、鍬や鎌などの農耕具をもった人々と、銃剣を構えた兵士達が対峙している。 「我々は、自由のために闘う! お前らなぞ恐くないぞ!」 農耕具を持った人々が、銃剣を構えた兵士に向かっていく。 「逆賊を処刑せよ!撃てい!」 兵士達の銃剣が火を吹き、何人もの人が倒れる。 それでも、後から後から押し寄せる人々の群れ。 これは、 これは、 知っている。 フランス革命だ。 なんて、 なんて、とんでもない時代にいるの、私は? 目の前で繰り広げられ惨劇に息をのみ、私は走るのを忘れてしまっていた。 両手を口に当て、背けたいのに、背くことが出来ない目の前の惨劇を凝視する。 ダーーン! 再び、銃剣が火を吹いた。 瞬間、私の右肩に激痛が走る。 みれば、そこから流れるのは緋色。 紛れもなく、私の血。 いたい、いたい、痛い。 これは、これはどういうことなの? 夢じゃないの? 私は夢の中にいるんじゃないの? わたし、私は……。 私は再び走り出す。 痛みに堪えながら、デタラメに走る。 なぜ走るのか、その意味さえわからずに私は走る。
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