第1章

7/12
前へ
/12ページ
次へ
宮殿の隅に建てられた東屋のような小さな小屋。 豪華な宮殿とは比べ物にならない、みすぼらしい建物の中から聞こえてくる音。 意を決して中に入ってみると、ちょっとふっくらしたおじさんが鍵を作っている。 勝手に入ってきた私だけど、今までどおりに気付かれることはないと思っていた。 けれど、この人は違った。 「誰かね? 部屋に入るときはノックをするように」 この世界で、私は初めて、この世界の人に話しかけられた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加