森谷壱の幸せ

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「っはーい!これで、一学期を終わりとします!皆さん、中学生らしく、たっぷり遊んでたっぷり休んでくださーい!あ、勉強も忘れないように!」 「先生テキトー!(笑)」 「っしゃー!夏休みー!」 …無事、一学期が終わり、明日から夏休み!という雰囲気で、教室は無駄に活気づいていた。 俺は、この雰囲気は嫌いだ。 けれどこれで、やっとこの五月蝿い集団と長期間顔を合わせずにすむ、と思うと、自然に広角があがっていた。 …この集団の会話と言えば、殆どが、「このゲーム早くしたいわ~」とか、「○○ちゃん○○君のこと好きなんだって」だとか、そうゆう下らない物だ。 俺はこんなチャラチャラした教室というものが大嫌いだ。 だからこそ、今俺は幸せだった。 時間を忘れてしまうほどに。
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