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「…や」
「…」
「…りや」
「…」
「森谷!」
「!?…なんだ」
「もうみんな帰ってんぞ?」
ふと周りを見回すと、本当だ。
誰もいない。
「教えてくれたこと、感謝する。」
早く帰らなければ。
そう俺がそそくさと帰る準備をしている横で、俺に声をかけてきた男子生徒が一人、立っている。
「…何をしている?お前、帰らないのか。」
「え?いや、森谷と喋ったこと無かったから、喋ってみよーかなー、と?」
「そうか。生憎だが、俺と話しても楽しいことなど無い。
俺は基本的に人と喋る気など無いからな。」
どうせ、俺には興味もないアイドルやらゲームやらの話なのだろう?
「え…」
「くだらない話は聞かない主義だ。もちろん話す気ない。
アイドルやらゲームやらの話なら他の奴としたらいい。」
「…あ、うん。いや、そうゆんじゃなくて。
森谷喋り方古風だな、とか、下の名前なんてゆーの?とか、そうゆう話。」
「!」
…妙な奴がいるものだ…。
普段此方から話しかけるなという雰囲気を醸し出している人間に自ら話しかけるとは…
「面白い。
そうだな…俺の名前は壱。
この喋り方はお爺様譲りのものだ。」
「おじーさま…www」
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