0人が本棚に入れています
本棚に追加
ホームルームも終わり、チャイムが鳴るまで教室で待機。
生徒の声で僕は机に伏せていた顔を上げると、横には大量の男女の群れが出来ていた。
「橘華さんってどこから来たの??」
「橘華さん可愛いぃ!!」
「彼氏とかいたりすんの!?」
などなど。
転校生に興味津々のご様子。
圭「まじで可愛いよな橘華さん」
いつからいたんだと思いながら前の席に目をやると、顔に絆創膏やらなんやらをつけて制服が着崩れている圭がいた。
誉「なんだ…生きてたのか…」
圭「うっせ。軽く三途の川見えかけたわ」
そんな冗談を言っているとチャイムが鳴った。
依然として橘華さんの周りは人に囲まれている。
唯「ちょっと、ごめんねっ」
小さかったが、橘華さんの声が聞こえた。
すると、ガタガタと椅子を後ろに引く音と足音が聞こえたと思ったら僕の横に来て僕に話しかけてきた。
唯「あの…学校案内は桜木くんがしてくれるって先生に聞いたんだけど…」
困り顔で話しかけてくる彼女は、少し疲れてる様子だった。
まあ、あれだけ質問されたらそうなるよな。
にしても…
誉「ったく…。あの教師め。…了解。俺はいつでも時間空いてるから、橘華さんが行ける時に声かけて」
僕はササッとそう発言すると、ニコッと微笑み「うん。ありがと」と言いその場に立ち尽くしてしまった。
誉「??」
不思議そうな顔をして彼女の顔を見ていると、横からヤツが割り込んできた。
圭「橘華さんって本当に可愛いよね!前の学校でもモテたでしょ!!彼氏とかは!?」
とか発言しだすもんだから、少し怯えた彼女の強張った顔を俺は忘れはしないだろう。
案外、表情は豊かみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!