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圭「ところでさぁ…」
絶えず黄色い声が上がっている方を一変、目の前の席に座っている圭の方を見る。
いつもおちゃらけた雰囲気は全く無く、真剣そのものといったオーラが圭を包んでいる。
誉「なに…」
その言葉に生唾をゴクリと鳴らせて僕は答える。
圭「今日さ、転校生が来るんだとよ」
ほう。
圭「男かな?女かな?もし女だったらさ、可愛いかなぁ!!?金髪美少女とかだったらどうしよおおお!!!!」
はい。
期待した僕が馬鹿でした。
「くだらねぇ」と言おうとした、まさにその時だった。
圭の後ろから真っ黒な、どす黒オーラが圭の後ろから殺気と共に溢れていた。
圭はそちらには気付かずにペラペラと自分の性癖と転校生というエロゲー的展開による自分と転校生との関係を熱く語っている圭の肩に、“その子”はポンっと手を乗せた。
圭「…そんで最後は…ん?誰だよ、俺はあつううううく妄想を語っ…て……る…」
肩にある手の先を見た圭は目を開き表情が固まってしまった。
それは、これは夢だろ?夢に決まってんだろと自分に言い聞かせている感じの絶望感漂う顔だった。
「朝から楽しいそうだねぇ。間宮くん☆」
圭「み…美咲…??」
美「そう!あなたの大事なだあぁぁぁぁぁぁぁいじな!!!!!ガールフレンドの美咲ちゃんだよ☆」
圭は物凄い汗を流しながら後ずさる。
この子は鹿島 美咲(かしま みさき)
圭の彼女でこのクラスの委員長を務めている。
まあ、これは修羅場というやつですな。
圭がこちらに顔を向けて仲裁役をしてほしそうに口をパクパクさせているが、まあ自業自得だ。
美「誉くん。圭、借りてっていい?」
もう一度、圭の方を見る。
そして僕は、
誉「うん。いいよ」
圭「うえっ!!??ほ、誉くん!?」
誉「自業自得だ」
圭「た、助け…助けてくれぇぇぇぇえええええいやぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!」
美咲が圭の腕を引っ張って教室を出て行った。
そのあと、ホームルームが始まったが圭が帰ってくることはなかったという。
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