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生徒達の声で賑わう声が無くなり、先生が入ってくるのを静かに待つ。
まあ、何人かはヒソヒソと喋っていたりするのだが。
ガラガラガラ
教室の横開きの扉が勢い良く開く。
そこには今年の担任、副担任であろう先生が2人。
「遅れてごめんよー。とりあえず号令しようか。委員長頼むよ」
美「起立」
先生がそう言うと、美咲から号令がかかった。
この学校は少し特殊で、学級委員長になった人は3年間学級委員長を務めないといけない仕組みになっている。
もちろん、委員会にも生徒会にも所属できたりもする。
美「礼。着席」
ガタガタと椅子の足の音が響いた後、また静寂に包まれる。
「はい。皆、おはようございます。これから1年間このクラスの担任を務めさせていただきます佐々木 幸多(ささき こうた)と言います。担当科目は社会科です。まあ、知ってるよね!じゃあ、次」
佐々木先生からの自己紹介の後、隣にいた女性の先生の番。
この先生は見たことないなぁ…
「今年から、この学校に赴任してきました高橋 菜実(たかはし なみ)と言います。新任で不慣れではありますが、佐々木先生のサポートをしていきたいと思います。この1年間よろしくお願いします」
そんな先生の自己紹介を聴き終わった後、教室は少し騒ついていた。
両先生共に顔が整っているからだ。
小声ではあるが「かっこいいよねぇ」「美人じゃねぇかよ」等々、先生の話ばかり。
僕はそんな話を無視して隣の席を見た。
そこには空いた机と椅子。
誉(…………まさか……な…)
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