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幸「じゃあ、皆よろしく頼むなー。あ、そうそう。橘華の席はあそこな」
そう言って僕の隣の席を指差す。
彼女は席に視線を移す。
そのすぐあとに、僕の方をチラッと見て先生の顔を見て返事をした。
あっ、忘れられてるかな?
まあ仕方がないだろう。
なんたって小学4年生以来だ。
あれから7年の歳月が経っているのだから僕のことがわからなくて当たり前だ。
……別に拗ねてなんかないぞ。
彼女はゆっくりと自分の席に向かって歩き出した。
その姿を追うように男子の目線は彼女を自然に追っていた。
鼻の下が伸びている。
気持ち悪い。
ガタッ
橘華さんって呼んだ方がいいのか?
それとも昔の様に唯ちゃんと呼べばいいのか?
誉「あーと…桜木 誉って言います。覚えてるかな?保育園と小学校一緒だったんだけど」
気さくにさりげなーく挨拶を交えて話しかけてみた。
割とよかったんじゃない!?
そうすると、彼女はこちらに顔を向けて丁寧にお辞儀をしながら挨拶をしてくれた。
唯「橘華 唯って言います。桜木くんっていうんだね。ごめんなさい。私、小さい頃の思い出はあまり記憶にないんだ…」
少し困った様に申し訳なさそうにしながら答えてくれた。
oh……
べ、別にショックとかじゃないんだからね!!
……………………
寝よ。
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