第二章:闇のゲーム

2/40
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
暗闇の中に光る一筋の人口の光、懐中電灯によって照らされる遺跡の中。 そこには、模様のように刻まれている象形文字とモンスターのような絵。 トンネルのような長い通路を、一人の少年は懐中電灯を片手に不安げな様子で暗闇の中を歩いていた。 「結構長いな…、どんだけ続いてるんだ…」 サンは周囲を照らしながら思わず呟く。 Dホイールを置いてきた入口から、暫く直進の通路が続いており、かなりの長さがあるのがわかる。 こんなものが、突如砂嵐の中で現れること自体おかしなことなのだが、サンはそのこともあってか余計に不気味さを感じていた。 そして暫く進むと、目の前には石像らしきものが建ち並ぶ広い部屋が見えてくる。 「なんだここは、闘技場みたいだな」 懐中電灯によって部屋にある石像を照らしてみると、石像にはそれぞれ剣や槍なのが握られていた。 暗闇の中、不動せず佇むそれは何とも言えない威圧感を感じられた。 サンはこのまま通るか迷っていると、横の壁に何やら四角く枠に囲まれた象形文字を見つける。 「ん…? え~っと…なになに? 『この先に進みし者、それは神官●●様の許可を受けた者のみが進める それ以外の者は立ち去れ、さもなくば白き龍の裁きをその身に受けるであろう』か…文字が一部消えててわからないな… …それにしても、毎度オレはなんでこんな文字を読めるのか…本当にわからねーな…」 サン、他とは違う象形文字を見つけて、それを黙々と読み出す。 これがサンが持っている不思議な才能、古代エジプトの文字を読むことができるのだ。 その原因はサン自身もよくわからず、ヴァレンタインに拾われてから発覚したことでもあった。 まだ解読すらままならない言語をサンは読み終えると、改めて部屋を見ると躊躇なく歩を進める。 「…白き龍の裁き…か、なんのことだろうな…」 サンは正面を懐中電灯で照らしながら慎重に歩を進めながら、先程の文字に書かれてた白き龍の裁きについてどこか引っかかっていた。 そうこうしているうちに、懐中電灯が照らす先には目の前にまた入口らしきものがあった。 「あった、少し急ぐか!」 懐中電灯が照らす先に見える入口に、サンは走り出す。 だが、次の瞬間。 「っ…うぉぉ!?」 先に進む入口が近くなった瞬間、サンは直感で立ち止まり、急いで後退すると、左右にあった石像がもうスピード迫ってきてドンっと剣を振り下ろして来たのだ。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!