第1章

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「だが、そうも簡単にはいかない。養子といえど、まだ6歳の子供だからだ。そうだ。なら、あの母ちゃんの奈美に聞いてみればいいんだ。いくら子供、養子にしても、莫大の額を持ってるし、中国もとい、金のしるしさえ渡して置けば、きっと質屋に並べられる。」 それで、博打屋へ行く前に仕入れた金蔵の臣の子の票を渡し、それを担保に5円も持っていけば、今度こそは、あの豚麺が手に入る。 「はーっ」 「いらっしゃい。」 「くうす」 「張るなら、金のべをここにかけてござんせ」 「5のべ」 「5のべ」 「5のべ」 「あっしも5のべ」 「よござんすね」 「ぐるぐるどんぱ」 「3こうでござんす。」 「よし、」 「4のべ」 「4のべ」 「4のべ」 「いや、あっしは8のべでござんす」 「平、平、どうなさりますか。」 「10のべで」 「降りる」 「出る」 「よし、でかした。」
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