46人が本棚に入れています
本棚に追加
レムリアス市で聞き込みを始めた。ルーファの姿形自体はさほど珍しくもないらしく、人と接することは簡単に出来た。
偏見が無いというか、存在の本質的な部分で疑問を抱いていないのだ。
「変な夢見たって話聞かないかしら?」
何人目か、露店のおじさんに聞いてみるとようやく反応が得られた。
「あー、そういえばそんなこと言ってるやつも居たな。なーんか、たすけてーとか言われたような気がしたって」
アトルシャンも救うなどと漏らしていた、おそらくは同種の内容だったのだろうことがわかる。
「それ、誰かわかる?」
「向こう角の花屋の爺さんだよ」
「ありがと!」
さっさとその場を立ち去ると花屋へと走った。その姿を目で追う者の気配に気づかずに。
店先にたくさんの花が並んでいる。売り子が声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。お探しですか?」
「あー、おじいさんいます?」
「あら珍しい、ラビさんに可愛いお客さんよ」
売り子のお姉さんは店内に向けて声を上げる。すぐに杖をついた老人が出てきた。
最初のコメントを投稿しよう!