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「以前はただ硬直するだけだったが、暴徒制圧用のスタンガンより若干弱い程度の電撃が流れるようになっている。慎重に戦うように」
しーんと16歳の少尉たちが静まり返った。タツオも息をのんで苦痛の身をよじるクニを見つめていた。
「切ってやれ。鳥居少尉、きみの腕立て伏せを待つのは時間の無駄だ。整列に戻れ」
普段の緩い態度が嘘のように、クニは跳ね起きて直立不動になった。タツオの兄はよく通る声でいう。
「諸君には4班に分かれて、戦闘訓練を行ってもらう。組み分けは各自のディスプレイに転送される」
ヘルメットから下がった2インチほどの透明なディスプレイに、3班正操縦者・逆島断雄の名前が浮かんだ。続いて6人の副操縦者の名が映画のオープニングロールのように流れていく。
鳥居国芳(くによし)
谷照貞(てるさだ)
萬満千留
萬駆化留
天童(てんどう)寂矢(じゃくや)
佐竹(さたけ)宗八(そうはち)
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