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まあ誰に強制されるでもなく、それはあくまで自発的な行為であるのだけれど、だとしてもあまり乗り気はしない。脳裏に浮かんだこれから足を運ぶ先は、僕にとってそういう場所だった。嫌いでも面倒でもないが 、訪れるには少しエネルギーを要する。そんなところ。
それからは長ったらしい終業式をやり過ごして、帰りのホームルームを終えるとすぐに学校を出る。部活に行く生徒、お喋りをする生徒、誰かと待ち合わせをする生徒。様々な人たちの間を縫うようにくぐり抜け、僕は真っ先に校門を飛び出してゆく。
そう遠くもない場所だ。走り続けたって息はもつ。軽いカバンを担ぎざまに肩に背負い、僕は目的とする場所へと駆けていった。
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