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さてと!
「じゃ、早速...」
何をするの?みたいに見てくるアイを置いて、今尚しゃがみ込んでるノワールの背後へと立つ。
...今思ったけど、どんだけあのセリフで喜んでんの?長すぎだろ...ま、今から時間延長入りますがね!
ノワールの背後に膝立ちで、肩にそっと手を置き耳元で出せる限りの色っぽさを出して...
「可愛いよノワール」
ゆっくりと呟くと、ノワールの身体がビクッ!と跳ねその反動で立ち上がった。妙な技だな...
「あ...」
俺も習得しようかな?とか考えていると、
「ごめんなさいそしてありがとうございますうぅぅぅ!!!」
わなないていたノワールが、叫びながら凄い速度で走り去って行った。
黙って俺達の事を見ていたアイが
「...それはもう一種のイジメにゃ」
去って行った方角を眺めながらそう呟いた。
あの反応は過剰だよなー。そして、
「面白いな...これ」
前々から思ってた事だけど、ノワールって押せ押せ系のくせにいざ自分が押されると弱いよな。
「純粋な娘だから、あまりやり過ぎないようにして欲しいにゃん」
自分がやれって言ったのになー注文が多いこって。
「へーい、程々に楽しみまーす」
願い主だし、従うけどな。
「そうして欲しいにゃ」
適当に返事をすると、頭を下げてお願いのポーズを取る。うむ、頼まれた。
...と言うか、何故俺がアイの願いを聞いてるのかは謎。気まぐれだな...うん、多分そうだ。
「じゃあ、ノワール追い掛けてくるからまた今度にゃ」
すっげーどうでもいい事を考えていると、アイがそう言い残して駆けて行った。多分あの二人、かなり仲いいよな...羨ましい事で。
「はぁ、いつの間にか猫達が皆消えてるから戻るかな...」
新しい出会いもあったし、それなりに癒されたから良しとするかな...ダラス覚えてくれるかな?メンドクセーな...
少し憂鬱な気分で、店の扉を開けるのだった...
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