第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

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「悪かった」 治ると言っても、痛みはあるので素直に土下座をすると、 「あら、こんな所に椅子が...」 白々しく呟きながら、人の背中にドスッと座りおったぞコイツ... 「マジか...何のプレイだよこれ...」 俺にMの気は無い!つまり...重いという事ですね。はい。 「...えい」 「ちょっ!?チクっとしたぞ今!」 可愛い掛け声と共に、人の首筋に(恐らく)針をチクっとして来た。痛いよりチクっとするだけの方が、不快指数が上がるんだな...今後の参考にしよう。 出来るだけ冷静になるよう心掛けつつ、心のメモ帳に書きこんでおく。 「反省した?」 亀のように蹲っていると、さっきより幾許か和らいだ声音で言ってくるので 「モチのロン」 頷く。頷いた時にデコを擦ったが...今は気にする必要も無いだろう。 「本当かしら...まあ良いわ。次余計な事を考えたら...そうね、剃毛の刑って奴を実行しようかしら?」 人の上から退きながらそんな事を仰るユズハサマー。 想像の自由が通用しない...だと? 流石異世界様だぜ...俺の人権を一つ奪っていきやがった。それにしても... 「一々罪がエグイな」 剃毛て、坊主にさせられるのか?それとも、俺から全ての毛を奪ってい気なのか...いや、どちらにしても嫌なものは嫌なんだけどな? 「そうかしら?じゃあ、剃毛と爪と肉の間に針を刺すのとどっちが良いのよ」 ささやかな抵抗をすると、エグイ拷問を二つ並べて次の候補を決めろと言う。これもまた拷問ナリ... どうしようか... 真剣に悩んでいると、 「いちゃつくのは良いんですが、早く仕事してくれませんかね?」 生意気にもダラスが注意して来た。だが、俺にとっては渡りに船。この助け舟にのって、地雷たっぷりの砂浜からの脱出を試みようとしたその時ーーー 「オーナーに偉そうな態度を取ったバツとして、一着分仕事追加ね」 「なっ!?」 ユズハが助け舟を沈めてしまった...これにはダラスも絶句している。それはそうだろうな...俺でも同じ反応をすると思うし。
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