第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

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固まったまま動かないダラスと、ふんっ!って感じの表情をしつつ、腕を組んでそっぽを向いているユズハ。そして、それを傍から眺めている俺の図。ちゃんと、固まる前にミシンを止めているのはナイスプレーだ。 しかし...助け舟を要求するには、ダラスじゃあ力不足、と言うか経験不足だったか。仕方ない、地雷が埋まりまくった砂浜で、イカダでも作って救出してやるとしよう... 「ユズハ」 「...何?」 普通に名前を呼んだだけなのに、少しツンツンした言い方で返事を返してくる。つか、なぜ今日はこんなに暴君発揮してるんだろうな?最近は比較的(最初の頃)温厚だったのに... 「一着分追加は良いが...ダラスがあれ作り終わったら終わりだぞ?」 ダラスは仕事をやれと言ったが、実を言うと俺もユズハも作り終えているのだ。だから、遊んでいた...という訳だな。 「...そうだったわね。残念だわ」 現実を指摘すると、俺やユズハが自分で作った服達を見る。そして、少し残念そうに呟いた。 「残念だったな...という訳でダラス、仕事の追加は無くなったからさっさとそれを仕上げてくれ」 「あ、はい...え、何時終わったんですか?」 硬直から戻ったダラスは、ミシンを動かそうとした手を止めると質問して来る。そんなの知らなくていいと思うけど... 「五時間前だな」 聞かれたので答えると、ユズハも素っ気なく 「四時間前」 時間を口にする。 「...マジですか」 時計を見て正確な数字を教えたのに、どうやら信じて無い模様。いや、そんな事で嘘ついたってしょうがないだろうに... 「マジだ」 「大マジよ」 ...さっきから、微妙に俺の言葉と被せてきてるのは何がしたいんですかね?ユズハさんや...イジメはよろしくないぞ?この程度がイジメになるのかは分からないけどさ。
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