第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

9/61

133人が本棚に入れています
本棚に追加
/326ページ
「...分かりました。何をすれば良いのか、店主に伝えるかメモに起こしておいてください」 俺は考えるのを止めて、頷くことにした。ま、そもそも俺に意見する権利は今回無いんだけどさ。それに、減るの俺の金じゃないし...金持ちの言うことなんてシラネ。 「...何で不機嫌になったのかしらね?」 「さあー?」 金持ちにいい思い出がないので、少しムスッとしている自覚はあるが治すつもりは無い。 久し振りに黒い記憶を思い出して、過去を呪っているとオバサンがカヤにねー?と話し掛けているのが見て取れた。ノワールとアイは...さっき渡したヌイグルミをフニフニしていた。中詰めにストローを切ったやつ...に、似た何かを入れたのだが感触が良い。なので、フニフニもっとするヨロシ! 誰だ俺...いや、俺は俺か ...哲学風だね!え、そんな事ない?そうか、残念だ。 「...あれ、話は終わりですか?」 しょうもない事を考えていると、カヤとオバサンは世間話を始めていた。 「ええ、今回伝えたかったのは四日後に皆で行ってきて?って事だけだから終わりよ?」 「...だけ?」 人を呼び出しておいてそれだけとか...仕事終わって暇だったから別に良いけどさ... 「だけよ?」 「そうですか...」 私は色々諦めることにしました...はい。じゃあ、そろそろ帰るかなーと考えてるとノワールが手を挙げた。 「はい!隣の国って聞いたけどどっちですか?」 ノワールのオバサンへの質問を聞いて、この世界の世界地図を思い出した。この国は、結構大きめな内陸国だ。そして、この国を挟むように左右に国がある。 この国の東側にある国は細長く北に長く伸びていて、その先には恐らく海と思われるものが広がっているらしい。地図情報とユズハの話ではな。 西側の国はとにかく大きく、この国の三倍は下らない大きさだ。そして、土地の多くが山岳地帯となっていて火山大国らしい。当然、温泉が出るとか...硫黄くさそうだよな。 名前は確か... 東側が〈シルトヴァリエ〉 で、 西側が〈バンプール〉 だったかな?うろ覚えだけど...多分間違ってない筈だ。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加