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「...分かりました。何をすれば良いのか、店主に伝えるかメモに起こしておいてください」
俺は考えるのを止めて、頷くことにした。ま、そもそも俺に意見する権利は今回無いんだけどさ。それに、減るの俺の金じゃないし...金持ちの言うことなんてシラネ。
「...何で不機嫌になったのかしらね?」
「さあー?」
金持ちにいい思い出がないので、少しムスッとしている自覚はあるが治すつもりは無い。
久し振りに黒い記憶を思い出して、過去を呪っているとオバサンがカヤにねー?と話し掛けているのが見て取れた。ノワールとアイは...さっき渡したヌイグルミをフニフニしていた。中詰めにストローを切ったやつ...に、似た何かを入れたのだが感触が良い。なので、フニフニもっとするヨロシ!
誰だ俺...いや、俺は俺か
...哲学風だね!え、そんな事ない?そうか、残念だ。
「...あれ、話は終わりですか?」
しょうもない事を考えていると、カヤとオバサンは世間話を始めていた。
「ええ、今回伝えたかったのは四日後に皆で行ってきて?って事だけだから終わりよ?」
「...だけ?」
人を呼び出しておいてそれだけとか...仕事終わって暇だったから別に良いけどさ...
「だけよ?」
「そうですか...」
私は色々諦めることにしました...はい。じゃあ、そろそろ帰るかなーと考えてるとノワールが手を挙げた。
「はい!隣の国って聞いたけどどっちですか?」
ノワールのオバサンへの質問を聞いて、この世界の世界地図を思い出した。この国は、結構大きめな内陸国だ。そして、この国を挟むように左右に国がある。
この国の東側にある国は細長く北に長く伸びていて、その先には恐らく海と思われるものが広がっているらしい。地図情報とユズハの話ではな。
西側の国はとにかく大きく、この国の三倍は下らない大きさだ。そして、土地の多くが山岳地帯となっていて火山大国らしい。当然、温泉が出るとか...硫黄くさそうだよな。
名前は確か...
東側が〈シルトヴァリエ〉
で、
西側が〈バンプール〉
だったかな?うろ覚えだけど...多分間違ってない筈だ。
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