第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

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そういう考え方なら、強くは無いな。だから、 「弱くは無いが、強くは無い」 こう答えるのが無難だろう。 「ふーん...ま、何かあったら私が身を呈してでも守るから安心してー」 気楽な感じで言うが... 「君達は俺をなんだと思ってるんだ?」 一応守るのは男である、俺の仕事だと思うのだが...どうにも、この娘達には守られるべき対象になってる様な気がしないでもない。 そんな気がしつつも、どうか違ってくれと願いつつ聞くと 「そんなの...大切だから守らないといけないとは思ってるよ?」 「ご主人様を守るのはペットの役目じゃない?」 当たり前でしょ?と言うように言うノワールと、これまた当然じゃない?と言いたげなカヤ。ノワールはまだ良いが...カヤ、お前を俺のペットにした覚えは無いぞ? 「オーケー分かった。その考えは今すぐここで捨てろ。そして、守るべき対象はユズハとカズハさんだけにしてくれ」 例えこの娘達が俺より強くて守る必要が無くても、守られたくは無いものだ。 「はーい!って事は、何もせずプルプル震えてればいいんだよね?」 ...どういう事だ?俺にはノワールの言いたいことが理解出来ない。 「それ、どういう事なの?」 俺なりに解読しようと脳を回転させていると、我慢が出来なかったのかオバサンがノワールに訊ねる。 「え?守るって考え方を捨ててーーって事は、遠回しに俺が守ってやる!って意味だよね?」 オバサンに説明しているのかと思ったら、俺に聞いてきたので 「違うが?」 その考え方は、見当違いもいいところだと言う事を教えてやると 「違うのっ!?」 驚愕を顕にされた。ふむ? 「何故驚かれたかは知らんが...自分の身が守れる奴は自分で守れよ?」 つまり、俺が守るつもりのあるものはオウサカ姉妹だけという事です。つか、守れる?分からん。 いや、そもそもそう言った場面に遭遇する確率の方が低いよな?だとすると、この話は無意味だろう。 「ま、守る守らないはその時々の判断に委ねるとしよう。さて、俺はそろそろお暇させてもらおう」 そう言って立ち上がると、各人が手を振ったりして来るので軽く返しす。 そして、四日後...平穏無事なら良いな~と考えながら帰路へとついた。
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