第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

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「これで全部か?」 「あっ!待って待ってこれもー」 店先に出された荷物を、全て積み積み漏らしがないか確認を行うとノワールが良く分からない小さな包みを持って来た。 「なんだそれ?」 「さあ?お母さんが持ってけって」 ノワールの母親...父親が少し変な人なのはノワールの話で分かってるが、母親は... ノワールを見ると、どうしたの?とクエスチョンマークを浮かべている。ノワール、結構ズレてるよな?という事は、もしかするともしかするか...? 「悪い、開けるぞ」 底知れぬ不安を抱えた俺は、返事を待たずに包みの中身を確認するとーーーそっと閉じてぶん投げた。 「何するの!?」 急に投げたので、誰も俺を止めることが出来ず"なにか"が入っている包みは消えていった。そして、包みを投げられたノワールはビックリしている。 「ふっ、良い事をした後は風が気持ちいいな...」 ビックリしているノワールに目もくれず、現実逃避していると 「何カッコつけてるのよ」 言いながら、ユズハが鳩尾へ肘鉄を打ち込んで来る。 「っぅ....おま、鳩尾は止めろや!」 想像の通り、尋常じゃない痛みだ。脇腹とかなら鈍痛程度で済むのだが、鳩尾はヤバイ。 「そんな事は良いから。で、何で勝手に捨てたのよ」 痛みを訴えると、適当にあしらわれる。むしろ、返答次第で追加攻撃が来そうな気配。 「何で...んなもんらーーー」 言おうとして、口を噤む。果たして、言って良いのか?言っても攻撃されないだろうか... 「何?言いかけたなら最後まで言いなさいよ」 悩む俺を、仁王立ち+腕組で睨んでくる。仕方ない...なるようになれだ。 「...ラビッツって魔物がいるらしいのは知ってるか?」 覚悟を決めて、下準備から入る事にする。もしやばそうなら、すぐにでも引き返せるように。 「知ってるけど...それが何?」 俺の質問に、一瞬だけ面食らった様な反応を見せたがすぐに仁王様に戻る。 ふむ...行けそうだな。 「さっきの包みの中身...」 「?」 言いたくないなーと、言い淀んでいると何が言いたいの?と目で聞かれる。はぁ...嫌だなー。 「さっきの中身、そのラビッツのナニだったんだよ」 ユズハにだけ聴こえるように、耳打ちして伝えると 「...私が悪かったわ。アンタは確かに良い事をしたわね」 素早い手の平返しが目の前で行われた。
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