第二章 今更王道的展開とか...帰ってくれないか?

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「何の話ですか?」 俺、良い事したよな?ええ、アンタは良い事したわよ。と、俺の善行を確認していると、ノワールを慰めていたカズハさんが訊ねてきた。 「あー、気にしないでください。こっちの話なので」 が、言える筈がないだろ?ノワールが母親から受け取った包みの中身にラビッツのナニが入ってたとか。 随分前だが、暇な時にラビッツのナニを売っていたオバサンに効果を聞いたんだ。そして、返ってきた言葉を要約すると自然界発の精力剤だった。 まあ、この世界で他にそういった物が有るのかどうか知らないし、自分達で作れるのかも分からないから自然界発は無くてもいいかも知れない。あっても変わらんからあってもいいけどさ。 で、何でそんな物をノワールの母親が持たせたのかだが...推測に過ぎない程度だが、既成事実を作って来い的な意味なんじゃないだろうか? 「...そうですか?」 はぐらかすと、少し寂しそうに見えたのは...気のせいだろうか?そんな事を考えているとカズハさんがボソッと 「何にしろ、ユズハと大槻さんが仲良くなってくれてるようで良かった...」 呟いたが...聞こえてないふりをしておこう。 「...おい、そろそろ行かないと着くのが夜になるぞ?」 キコエナーイキコエナーイしていると、店主が教えてくれた。 「それは困る...よし、そこの亜人共+αさっさと乗り込みやがれ!ほらユズハも。ささっ、カズハさんお手をどうぞ」 夜に着くと、色々と予定が崩れるのでノワール達亜人娘三人衆とダラスのケツを蹴りながら馬車に押し込む。ユズハは蹴ったら十倍返しで帰ってくる恐れが非常に高いので言葉だけ。カズハさんは...男である俺がエスコートしなくちゃだ。 「対応の差が酷くない!?」 そんな対応をしていると、馬車に乗り込んだ時泣きそうな顔でノワールが訴えて来るが...ふんっ!ラビッツのナニとか持ってくる人に当然の仕打ちなんだからねっ!! 「...じゃあ、出発するぞ?」 気持ち悪いなーと思っていると、運転手...御者って言うのか?馬の轡を握る店主が確認を取ってきたので 「お願いします」 頷きを返すと、馬車が動き出した。 結局、あの日から四日間何もせず時間だけが過ぎていった。いや、何もしてなくは無いけどな?ちゃんと仕事したしさ。 荷車に乗って、流れる景色とケツへの並々ならない衝撃を受けている今思うのは...サスペンダーとか付けたいなーそんな物だった。
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