いざ、受験へ

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 やたら記述量の多い問題なのだ。これは隣の答案を覗いている余裕なんてないし、よほど近くでしっかり読み込まないとカンニングの意味をなさない。  他人の答案をちら見で参考にできるレベルではなかったのだ。  こりゃ、採点する人大変だなあ、なんて他人事のように思ってしまった。  問題は難しい。難しいのだがコツはある。ここらへんの記憶をなくしていたらやばかった。  例えば数学は配点120点で6問あるのだが、満点の120点なんて狙う必要はない。  大抵激むずの問題を2問くらい入れ込んでくるから、それはさっさと捨てる。  まあ、完全に捨てるのはもったいないので序盤だけちょこちょこと記述する。  証明問題の序盤だけ記述して方向性を示しておけば、おこぼれの点数をいただける。  そして本命の4問にしぼって解けば、あら不思議、問題にかける労力が三分の二に減少しちゃうのです。  これは東京大学とやらの数学が激ムズだから使える手法。問題が難しいと言って大学の難易度が高いとは限らない。見栄を張ってこんなに難しくしなくていいと思う。  逆にセンター試験の数学はミスを許されない分、神経を使う。満点に近い点数を狙わないといけない。  まあ東京大学の数学の場合は半分できれば上出来なのさ。6割ちょっと取れればバンバンザイ。  その年の問題の難しさにもよるんだろうけどね。  まあこんな感じでちょいちょいと問題を解いたが、集中する時間は長いからさすがにしんどかった。問題の解き方まで忘れてたら大学全滅だったな。覚えていて本当に良かった。  終わったあとは心労が一気にきた。はあっ、疲れた、疲れたぞ!
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