空をかけるひつじ

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頭をさっぱりさせるためにシャワーを浴びて、かずみはヤスノリを改めて眺めた。 「お腹はすいてない? ここまで遠かったでしょう」 ヤスノリはまだかずみのベッドの中にいて、少しぼうっとした顔をしている。 それでもかずみの声は聞こえていたようで、慌てたように首を振った。 「夢中で来たから、よく覚えてないんだ。お腹もすいてない。だけど……」 一度、言葉を途切れさせる。 「食べられるのなら、もう一度、かずみの手料理が食べたい」 かずみは微笑んで、台所に立った。
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