第1章

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2012年ごろTOKIOというアイドルグループの発表した曲を私はよく聞いていた。その曲名は羽田空港の奇跡という。しかし私は当時、そんな奇跡などと思っていた。私は品川区に住んでいて、羽田空港には旅行で利用するくらいであった。しかしある冬のよく晴れた日、隣の家の男の子の面倒を見ることとなった。この子とどこかお出かけしようかと話していたら羽田空港に行きたいと言ったのだった。そしてこの男の子に言われるがままに赤い電車にのって羽田空港へ向かった。その途中この電車では横浜方面に行ってしまうことに気がついたので途中の駅で乗り換えた。やってきた電車は他の電車とは違う色で路線を間違えたのかと思った。なぜならば赤い電車ばかりの路線に黄色い電車がきたからだ。しかしこの電車が羽田空港行きの電車だったため他の人の流れに乗るかのようにこの電車にのった。そして、私たちはまだできて何年かしか経ってない羽田空港国際線ターミナルに踏み入れたのだった。男の子は飛行機が見たいというので言われるがままに展望デッキに向かった。そして、数十分後に男の子は不意にこんなこと言ってきた。「お姉ちゃんのオーラが神奈川県の方向に風に流されるように流れていてあるところで別のオーラと混じってるの~。」私は正直どういうことだかわからなかった。しかし私は確かに羽田空港にいるときいつも以上にかつ不思議な落ち着きと癒しがあった。男の子を隣の家に連れて帰ると、私は男の子を男の子の家族にかえし、再び羽田空港に向かっていたのだ。そして、夜のどこぞのイルミネーションより美しい滑走路の光とどこかへ飛び立ってゆく飛行機のエンジン音に見惚れていたのだった。そんなこんなで少し時間がたったとき寒くなったから上着をもう一枚着ようとしたときだった。私はつい手を滑らせてしまい上着を落としてしまった。さらに、そのときに強い風が吹き落とした上着が飛ばされてしまった。それを私が追いかけようやく拾おうとしたとき、上着の布ではない何かゴツゴツしたものが私の手にあたった。ふと顔を上げると、そこにはどこか懐かしさを覚えるような顔をしたスーツケースを持った男の人がいたのだった。彼は私にこれはあなたのですか?と聞いてきた。もちろん私のなのではいと答えたら彼は何も言わずにしかし優しい顔で私に上着を渡してくれた。このとき私はおそらく一目惚れしていたのだ。
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