18.未来を誘う長として

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鏡を辿って踏み入れた世界。 その世界で俺は龍の背に乗って移動していた。 ……何だよ……。 ありえねぇだろ。 こんな体験……。 内心毒づいた俺に、 流れ込んでくるのは深い心。 『我、主よ』 「お前……もしかしなくても、  雷龍?」   『いかにも』 その龍は暗闇の中、スピードを更に加速していく。 加速はすれども、障害になりそうな風圧は 不思議なことに感じられない。 「貴咲。  朱鷺宮、涼夜を探せ」 告げると龍は急旋回を遂げて、 体をうねらせながら一気に地上へと降下していった。 視界に映ったのは、 血の色なく、横たわる涼夜の姿。 慌てて龍の背から飛び降りて、 地上へと着陸する。 かなり高いところから飛び降りたにも関わらず 着地による衝撃が俺に伝わることはなかった。 何かが俺を包み込むように、 穏やかな金色の気が包み込む。 「朱鷺宮っ!!」 見つけた涼夜を引き寄せて声をかけるものの アイツは何の反応も返さない。
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