18.未来を誘う長として

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「お兄ちゃん、誰?」 「神威。  戻ってきたら、わかるさ」  伸ばされかけたその小さな細い腕を しっかりと掴んでゆっくりと引き寄せる。 そして少年涼夜を取り囲む闇の気を、 宝剣の力で一気に薙ぎ払った。 天から降り立った雷光は、 雷鳴を轟かせて一気に弾けとぶ。 天からの眩しい光が まっすぐに射しこんだ真下。 幼い少年涼夜は俺に手を振りながら、 横たわる涼夜の元へと消えて行った。 直後、龍へと姿を変えた貴咲は俺を背に乗せて 天高く舞い上がっていく。 何処までも高い天へと。 天を突き破って飛び出した感覚。 俺は鏡の前に立っていた。 「お帰りなさいませ」 「宝さま、お戻りなさいませ」 華月と月姫の声が俺を迎えいれる。 その後ろ、声に出すことなく 紡がれるのは『おかえりなさい』と囁く 桜瑛の声。 「華月、涼夜が……」 闇寿の声に慌てて広間から アイツが眠る部屋へと移動した。
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