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想像以上に大きい。 それが美晴の印象だった。 さすがは世界の三大記念艦と言われるだけの事はある全長約132メートルの大きなグレーの巨体は、ガイドブックや写真だけでは伝わらない迫力というものがそこにはあり、さっきまで大雨だったはずの空は今は真っ青に輝き、戦艦三笠をさらに引き立たせていた。 ちなみに美晴は、別に戦艦オタクではない。 もちろん戦争マニアでもない。 むしろどちらかといえば、こういうものは苦手な方であり、これ自体に興味はないのだ。 それでも今日行かなければ…と思ったのは、使命感、に似た感情からだった。 美晴を苦手なものから奮い立たせるような使命感。それがまた、美晴の足を、一歩先へと進ませる。 三笠の側面につけられたら金属製の階段を上ると、美晴のハイヒールとぶつかって、カツカツと派手な音を上げた。 よく考えたら美晴の格好は、場違いだったのかもしれない。白いワンピースに赤いハイヒール。加えて、こんなところに女1人で来るのは珍しいのだろうか。 目線を階段の上へ上げると、その先の受付にいた男の子と目があった。 美晴の格好と同じくらい場違い、と言うのはさすがに失礼だが、こうゆう所では珍しい若い男性スタッフだった。 美晴と同年代。 いや、それよりももっと下だろう。 美晴は実年齢より若く見られる事が多い。それを低身長のせいにしている。若く見られるのは嬉しい事だが、それはあくまでもプライベートだけ。 バリバリと仕事をしているつもりのキャリアウーマンには、マイナスにしかならないことばかりだ。 .
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