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「拾ったことには変わり無いでしょ!? 文句なら捨てた人にでも言ったら?」 少し小さいのが、手を叩く。 「あ、それ良いじゃん! 捨てた人がわかれば、治療費も請求できるし一石二鳥よ! このアパート、監視カメラ無かったっけ?」 キョロキョロする、少し小さいの。 「あー、それは無理」 「なんで?」 「えーと、お前、ニュース見るっけ?」 「…………馬鹿にしてんのか?」 手を握る少し小さいのに、大きいのは慌てる。 「ストップ、ストップ! ただの確認だ! 確認!」 両手をつき出す大きいの、それを見た少し小さいのは、手の握りをといた。 「で? なんのニュースよ?」 「いや実は、昨日この辺で逮捕者が出ただろ?」 「あぁ、動物虐待してたってやつだっけ?」 「そう、それ。実はこいつに傷付けて、袋詰めにして俺の部屋の前に置いたの、その犯人みたいなんだよ」 大きいのが、僕を指さした。 「えっ! 本当に!」 「ホント。動物病院行った時、すぐに警察呼ばれて、事情聞かれた」 大きいのは、ひとつ息を吐く。 「だから、捨てた奴を探しても無意味。請求しても払うわけ無いし、そんな奴の所に返すわけにもいかないだろ?」 「まぁ、それはそうね……」 哀れむような目で、少し小さいのが僕を見る。 「そんな目に合って、こいつも可哀想だろ? 少しでも良い暮らしをさせてやりたいんだよ。だから、頼む! 少しの間で良いからこいつを飼って……」 「それとこれとは、話が別!」 大きいのの話を遮ると、少し小さいのは出口に向かう。 「良い暮らしをさせてやりたいなら、せいぜい頑張って節約するのね。とりあえず私は、もう一銭も出さないから」 ギィ、バタン。 少し小さいのが、住みかから出ていった。 ふと、大きいのと目が合う なんだろうと僕が、首を傾げると、 「…………はぁ~」 大きいのは盛大なため息を付き、項垂れるのであった。
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