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それからまた、何回か暗くなったり、明るくなったりした後。
ピリリリリ! ピリリリリ!
「はい、もしもし」
変な音がして、それに気付いた大きいのが、なんか四角いのを顔に着ける。
「はい……、はい……、」
繰り返し頷く大きいの、だんだん声が小さくなっていき……。
「はい、わかりました。失礼します」
頭を下げると、四角いのを放り投げ、横になった。
「はー……、これでコンビニも全滅……」
ごろりと寝返りを打ち、大きいのは近くにあった物をとる。
「あとはこの工場だけど……、ちょっと遠いし、トイレ近いから、流れ作業は嫌なんだよなぁ~」
ごろごろとする大きいの。
ふと、僕と目が合った。
『なんだよ』と僕が言っても、見てくる。
目をそらすと負けな気がして、こっちも見続けてると、ふと大きいのは目を閉じた。
「……ん、四の五の言ってられないか!」
大きいのは起き上がって、投げた四角いのを取ると、少しつついて、また横顔に着ける。
その顔は今までの大きいのと、どこか違う気がした。
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