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「――者様――様」
なんだ? 体が揺すられている。
しかし、この揺れがなんとも心地よい。
「勇者様、勇者様」
なにか聞こえると思ったらなるほど、勇者様を呼んでいたのか。ってなに!?
驚いて飛び起きると、目の前に二つの顔が飛び込んできた。
「おお、目が覚められましたか。勇者様。さて、こちらに来たばかりで――」
何を思ったか突然俺の方へ喋り始めた爺さんは、目が白い眉で隠れた不思議な顔面。口も白く長い髭で見えない。
これはよく色々な作品に出てくる、まさに村長や長老という出で立ちだ。
隣にいる女は、所謂亜人というのだろうか。明らかに人間にはふさわしくない毛で体が覆われている。
狭い部屋、木造の家、木造の家具、囲炉裏。うむ、俺の部屋じゃない。
間違いなく夢だ。アホらしい。
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