ファンタジーな夢だろう

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「あ、ああ。どうぞ。続けて続けて」 やっと俺からの反応があったのが嬉しいのか、嬉々として喋り始めた。 「ここは人間の持つ最後の都市、ゲネシスじゃ――」 ほうほう。ここは最後の都市でゲネシスと。 爺さんは読み通りここの長で俺は勇者。隣の女は獣人と呼ばれる人間で名はミーナか。 この都市に残る大魔術師10人の命と引き換えに俺を召喚した、と。 いやいや、声には出さんが魔術師10人の方が価値があるぞ、俺なんかより。 そもそもが10人と引き換えに……俺? いやー多分ここの村人より弱い自信があるぞ。 それから、魔王を倒せ、と。まさに王道だな。 本当にすがり付く思いで召喚した勇者が俺なんかだと思うと、可哀想過ぎて笑いが込み上げてくる。
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