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「それで暁が……先輩?」
急に真顔になった先輩
「…立夏は本当に暁のことが好きなんですね」
にこりと微笑みながら言われる言葉
否定しないといけないのに何も言い返せないでいる
「キスしてもいいですか」
「っあ、えっと……っその…」
突然のことに焦る
先輩が俺のことを好きだということは知ってる
でも俺は?俺は……
「立夏……」
どんどん近づいてくる先輩
俺はぎゅっと固く目を閉じた
パチンッ
「っっったい!」
目を開けるとそこには涙を流す先輩の姿
何で…おでこを擦りながら先輩を見る
「私は立夏が大好きです。それはあの頃から何一つ変わっていません。ですが…今の立夏はあまり好みません
貴方が本当に側にいたい人は違いますよね」
「せ……ぱいっ…」
涙を流しながら話す先輩
そんな先輩を見て、言葉を聞いて、浮かんだのはあいつの笑顔
トンっと肩を押された
そして手を振る先輩
俺は階段を降り彼のもとへ向かった
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