情熱的さは家系ですか?

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急いでお泊まりセットの用意をして着替えや注射と薬を用意する。 家の鍵をかけて車に向かうと芹沢くんは弟くんと電話で話していた。 「…迎え行くから、どこだよ?解った。彼女との時間邪魔したのは高くつくからな覚えとけよ」 そう言うと電話を切ってナビを起動して住所を検索し始めた。 「お待たせ」 「よし、今夜は尚に夕飯は奢らせる。ぜってースーパーで文句は言わせねぇ」 シートベルトを閉めると芹沢くんは車を発車させた。 私は荷物の入ったバックを抱えて窓の外を見ていた。 車は少しスピードを出してはいるが違反にならない速度で目的地まで到達した。 見慣れないJRの駅の近くのコンビニから小走りで近づいてくる人影が後部座席のドアを開けた。 「遅いって文也。待ちくたびれたぁ。うぉ、彼女さんコンニチワ」 芹沢くんはミラー越しに後部の弟くんを睨んだ。 「迎えにこさせといて何言ってんだ?まずは自己紹介しろよ尚」 「尚です。イツキさんでしたよね?兄がお世話になってます」 「イツキです。こちらこそお世話になってます」 振り返って後部座席の尚くんを見て息を飲んだ。 声の低さといい外見や髪型までチャン・グンソクそっくり。 芹沢くんよりグンチャンっぽい。 「な?こういう反応になると思ったんだよ。こいつは自分で好きでグンソクの真似してるから。似てるって言われて調子こいてんだよ。チャラチャラしやがって…」 いや、芹沢くんも充分チャラチャラしてますよ…とは言えない。 セミロングの髪に緩いパーマで髪を無造作に縛って…まさにグンチャンスタイル。 服装どことなく本人に寄せている感じだ。 喋った声の感じも似ている。 芹沢くんはどちらかというとグンチャンよりももっと背が高くて声も低い。 「イツキさん、口、開いてる。尚は似てて当たり前なんだよ似てるって言われて似せてるんだから」 「兄貴だってそっくりでしょ?俺ら一卵性の双子なんだから、違うのは声とタッパだけ。身長だけは一回りぐらい違うもんね?」 「悔しかったら大きくなってみな」 「俺は永遠のグンチャンだから良いの。俺はこれで丁度良いし」 「双子だったの?!」 「「え?今さら?!」」 双子がシンクロした。
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