情熱的さは家系ですか?

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「芹沢くんも言ってくれなかったじゃない?!」 「だって、言ったらイツキさん、俺よりも尚のが好きになったら困るもん」 いや、グンチャン似てて双子って。 「弟って言うから年下だと思ってたのに。でも見分けつく双子で良かった」 「兄貴だってもうちょっと痩せて髪型変えたら…」 「やらねーよ。俺は似てるって言われて喜んでないの。お前とは違うもんね」 「つまんねーな。楽しいのに」 「意味解らんわ、そーいうの!俺は」 「韓国行った時にミョンドンでちょっとした騒ぎになったの、その時は今ほど気合い入って無かったからビミョーだったけどさ」 「気合いって、お前一段と目いじっただろ?」 「解る?グンチャン仕様に二重の幅をファイバーでね。整形はしてないよ」 「当たり前だ。ピアスだって開けやがって親から貰った体に傷つけやがって」 「ピアスは良いじゃん。文也カタイんだって」 「仕事だってクリエイターとか言ってるけどまるっきりフリーターじゃねーか。良い歳して」 「グラフィックデザイナーね。実家暮らしの在宅でも日本以外の仕事してて歯医者よりも儲かってますから」 「腹立つ、実家暮らしの癖に…」 …口の悪さは兄弟揃ってか。 二人とも喋らなければイケメンなのに。 「何でだろう、文也がイツキさん選んだの解る気がする。何となく母さんに似てる?」 「違うわ、お前のマザコンと一緒にすんな!」 「いや、顔は似てないけど雰囲気とかさ…」 「尚、お前はイツキさんに興味持たなくてよし、母さんとは違うからな」 「でも、好きになっちゃったら関係無いよ?双子なんだから彼女の趣味が一緒でもおかしくはないでしょ?」 いや、その考えはおかしいでしょ。 「何かムカついた。実家帰れば?」 「嫌だよ、せっかく札幌まで出てきたのに…」 「俺は明日から仕事なんだよ」 「お構い無く、文也んトコ泊まるってことはイツキさん明日は休み?」 「イツキさんは俺の彼女だって言っただろ。お前彼女はどうしたんだよ、年下の彼女居ただろ?」 車を発車して芹沢くんはため息まじりに煙草に火を着けた。 「とっくに別れたよ。年下はダメだわ。付き合ってみて解った」 「だからといって人の彼女にチョッカイかけんな。お前は他を当たれ」
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