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何となく重い空気を感じてたずねた。
「何かあった?」
「いや、何でもない。注射は打った?」
「今から。寝室で打ってくるね」
冷蔵庫から注射のキットを取り出して寝室で注射をお腹に打ってきた。
キットをケースごと冷蔵庫に戻してリビングに戻ると二人は無言で空気が重い。
「明日はイツキさん朝に送って行きたいからもう寝よう。おやすみ」
「おやすみ、お二人さん」
尚くんはソファーに横になって毛布をかけてリモコンでリビングの電気を消した。
私達は寝室でセミダブルのベッドに二人で横になった。
芹沢くんは包むように私を抱きしめ眠った。
朝方、私は芹沢くんの腕の中で目が覚めた。
規則正しく寝息をたてている芹沢くんは、まだ起きそうにない。
身動きすると起こしちゃいそうで、動かないように芹沢くんの寝顔を見ていた。
芹沢くん結構まつげ長いな…あ、髭延びてる。
今何時くらいかな?
すると浅い呼吸をしてゆっくりと芹沢くんが瞼を開けて微笑んだ。
「起きてたの?」
ベッドサイドに置いてあった自分の腕時計で芹沢くんは時間を確認して
「まだ6時回ってないし…」
と、抱きついてきた。
「車だから8時までは余裕」
私の頬に軽くキスして又瞼を閉じた。
「尚くんはさっきから起きてるみたいよ?」
「気にしなくて良い、もう少しこうしてて」
尚くんはメイクでもしているのかドライヤーを使っている音がしたり、リビングから洗面所をパタパタと行ったり来たりしていた。
気にするなってのは無理でしょ?
私が起きあがって布団から出ようとしたら芹沢くんは私の肩に抱きつくようにベッドに連れ戻した。
「いつもの事だから。一時間以上あんな感じで髪型決まるまで洗面所使えないから。メイクはリビングでやるから大丈夫だよ」
髪型で一時間以上って、どんだけナルシストさんなんですか?
あのアイメイクとか…鼻筋とか…その上メイクもしているんでしょ?女の子より時間掛かるじゃん。
完璧主義さんなんですか?
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