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「条件にあった駐車場も地下に有りますよ」
店員さんに言われて文也くんは私に意見を求めた。
「俺はここで良いと思うけど、イツキさんはどう思う?」
「私もここで良いよ、気に入った」
「後幾つかお部屋ご案内出来ますけどどうします?」
「いえ、ココにします」
文也くんがそう言うと私達と店員さんは契約をする為に不動産屋に戻ってきた。
部屋の契約書にサインをして手付金を支払い、引っ越しの日程等、もろもろ決めて不動産屋を後にした。
文也くんの運転する車での帰り道、文也くんの提案で二人で石山通沿いにあるファミレスで外食をした。
「部屋決まって安心したよ、案外小さな不動産屋のが物件有るもんなんだな…」
食事を終えた文也くんは煙草に火を着け、ドリンクバーで取ってきたアイスコーヒーを飲んだ。
「あんなに部屋いっぱい見て決めたの初めてだよ。」
私も食事を終えて椅子に置いていた、斜めかけのドラムバックから煙草を取り出テーブルに置いた。
文也くんは長くなった煙草の灰を灰皿に落として言った。
「あの部屋、築年数はあるけど部屋はリフォームされてて良かったよね?」
私は煙草の箱から一本煙草を出して火を着け答えた。
「あそこってファミリー向けの物件なのかな?部屋とかお風呂とか広かったよね」
「イツキさんも病院まで電車一本で行けるね」
「うん、マンションから市電の駅に近いから冬でも楽に行けそうだよ」
「24時間営業のコンビニと、少し歩くけどスーパーとドラッグストアーも近所にあったし、あの辺住むの俺初めてだよ。」
文也くんは煙草を灰皿に揉み消してまたアイスコーヒーを飲んだ。
「便利そうだよね。市電から近いけど住宅街だから静かそうだし」
「引っ越し屋は俺が手配するよ。来月からは一緒に住めそうだ」
「うん、ありがとう」
「俺もイツキさんも荷物多いから引っ越しに時間かかりそうだから、おまかせにした方が良いかもな」
「家電とか私のは古いから処分した方が良さそうだね」
「洗濯機と冷蔵庫だけは買い換えよう。二人が持ってるのじゃ小さいから」
「ソファーとベッドはどうする?」
「それもこの際買い換えちゃおうよ?ベッド、毎日二人で寝るにはセミダブルじゃ小さいだろ?」
「カーペットとかカーテンとかも必要になるね…」
「その辺は鍵貰ってから揃えようよ」
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