冗談ですよね?

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松葉杖が片方外れる前に一度だけ約束通り私達はお茶をした。 待ち合わせは札駅の北口で。 芹沢くんは馴れた感じで松葉杖をついて現れた。 北口近くのドトールに向かい二人で、まだ3月で寒いのに アイスコーヒーを頼んだ。 「芹沢くんもアイスコーヒー派?」 「俺は一年中アイスコーヒー(笑)」 「私もホットってあまり飲まないかも」 「どこ行っても俺はアイスコーヒーしか頼まないんだよね」 喫煙席で二人でアイスコーヒーを飲みながら三時間ほど話をしていた。 「これから夕飯一緒に行きません?」 「良いよ。何食べたい?」 「せっかくだから居酒屋行きましょう。俺奢りますよ」 「え~、悪いよぉ。せめて割り勘にしよう?」 「こういう時は男をたてて下さいよ。行きましょう」 そう言うとタクシー乗り場まで歩いた。 「松葉杖取れるまでタクシーで我慢してね」 「そっか、地下鉄は階段あるからね」 「運転手さん、すすきの市場までお願いします」 二人で芹沢くんの行きつけの居酒屋に向かった。 店に着くと、馴れた感じて店員さんに注文していった。 「お酒飲めますか?」 「うん、飲める。私あまり強くないからスクリュードライバーにするよ」 「んじゃ、俺はいつもので…」 三杯目までは記憶にあるけど私は勧められるまま飲んで記憶を無くした。 目が覚めたら知らない部屋の天井が見えた。 ココどこ? 「う~ん…」 声がした隣を見ると芹沢くんの腕枕で私は寝てたようで…芹沢くんは裸で寝ていた。 は、裸? 慌てて自分の姿を確認して自分の姿に昨日の酒を後悔していた。 これは…ヤってますよね?多分…下着すら着けてないし。 てか、芹沢くんも裸だし…ってことはココは芹沢くんの部屋か? 「ん…おはよ、早いね起きるの」 かすれた低い声で芹沢くんは私を抱きしめた。 「もしかしてさ…私達…」 「ん?したよ?」 やっぱりか?! 「イツキさん寝かせてくれなかったから…俺も久しぶりで腰が痛…」 わー、マジでっ?! 怪我人相手に何やってんだ私は?! 「どうしたの…イツキさん?」 「激しく後悔している…シャワー借りるね…」 「一緒に入ろうよ、昨日みたいに」 「シラフでは無理!」 床にあった大判のバスタオルを巻き付けてベッドを出た。
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