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困ってたら、助けたいって思う。
僕が失恋した時だって、柊ちゃんはいろいろ親身になってくれたのだから、自分もちゃんと恩返ししたい。
僕なんかじゃ出来る事は少ないかもしれないけど、何もせずにはいられない。
「…ははっ。」
「?」
頭を撫でながら、ぐるぐるとそんな事を考えていると…
柊ちゃんは小さく笑った。
「 …あー、ヤバい。」
「 どうしたの…?」
ゆっくりと顔を上げた柊ちゃんは…
「茜の力はすげーな。」
嬉しそうに笑いながらそう言った。
「マジ癒された。」
「え…?」
まだ自分は何もしてないのに…とポカンとしていると、立ち上がった柊ちゃんが今度は僕の頭を撫でてくる。
「それ、すごい分かるわー。」
横から山田君が言う。
「今の、見てるだけでもグッときたし。」
「 ……。」
「あの、宮原君…?そんな睨まないで!」
なぜか冷たい眼差しを向ける柊ちゃんに、山田君は焦ったように謝っていた。
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