◆◆

5/5
前へ
/119ページ
次へ
困ってたら、助けたいって思う。 僕が失恋した時だって、柊ちゃんはいろいろ親身になってくれたのだから、自分もちゃんと恩返ししたい。 僕なんかじゃ出来る事は少ないかもしれないけど、何もせずにはいられない。 「…ははっ。」 「?」 頭を撫でながら、ぐるぐるとそんな事を考えていると… 柊ちゃんは小さく笑った。 「 …あー、ヤバい。」 「 どうしたの…?」 ゆっくりと顔を上げた柊ちゃんは… 「茜の力はすげーな。」 嬉しそうに笑いながらそう言った。 「マジ癒された。」 「え…?」 まだ自分は何もしてないのに…とポカンとしていると、立ち上がった柊ちゃんが今度は僕の頭を撫でてくる。 「それ、すごい分かるわー。」 横から山田君が言う。 「今の、見てるだけでもグッときたし。」 「 ……。」 「あの、宮原君…?そんな睨まないで!」 なぜか冷たい眼差しを向ける柊ちゃんに、山田君は焦ったように謝っていた。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加