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「ほら、お前はええ友達やったし、向こうに行っても仲良くしたい…………って、そんなに嫌やった!?」
何も言わない私を見て勘違いしたのか。
彼は慌てて小さな袋を取り出した。
「ごめん、冗談やって! ちゃんとクッキー用意してるから!」
「違う」
フルフルと首を勢いよく振って、彼の目を見つめる。
「これでいい………これがいい!」
驚いたように目を見開いた彼は、やがてニッと笑みを浮かべると、クッキーも私に押し付けた。
「プラスでこれもやるわ。…これからもよろしくな」
「……うん!」
結局、今日は告白できなかった。
だけど、これで満足している。
新しく登録し直したアドレスを見て、じんわりと胸が熱くなった。
(もう少しだけ、片想い続けさせてな)
次に直接会うのは、まだ先のこと。
どうやら少なくともその時まで、この恋は続くらしい。
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