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上手く話を終わらせると、夜は嘆息する。
「取り敢えず立ち止まったままでは邪魔になるので、歩きながら話しましょう」
「…分かった。というか、既にこの人混みに酔いそうなんだけど」
「それは私も同感です」
テクテクと足を進めながら、夜は自身の今の考えを述べていく。
「恐らくですが、ここは未来…私のいた時代だと思います」
「え、どうして…」
「理由は分かりません。それに、この場所も私は知りませんし…………地下街、の様ですけど…」
どうやら天井から吊り下げられた看板によると、地上へ向かう階段があるらしい。
「出て、みましょうか」
一先ずは外に出てみれば、此処が何処か分かるかもしれない。
そんな考えを持って階段を上っていく。
見えてきた太陽の光に沖田が安堵したように頬を緩ませると、夜の前に出た。
「良かった。出口みた…」
「沖田さん!?」
ゴン!という凄まじい音を立てて跳ね返ってきた沖田を、夜は慌てて支えた。
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