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3月は別れの季節。
大切な人ともお別れがあったりする。
まだ卒業ではない高1の私達には、別れと言えば大袈裟かもしれないけど───
「はぁ……」
携帯の画面を見て溜め息を吐いた。
駅で10時に待ち合わせと約束をしたのに、20分たっても来ない。
私が待っているのは、一人の男子。
だけど、付き合っているというわけではなく、関係で言えば友達。
もっと悪く言えば、ただのクラスメイト。
私は友達だと信じたいけど、彼がどう思ってるかなんて分からないし、聞くのも怖いと思ってる自分がいて。
「……あかん、なぁ」
考えれば考えるほど。
負の考えが積もっていく自分に嫌気が差す。
「電話、してみよかな」
何かあったのかもしれない。
連絡すらくれないのは、忙しいのか。
ただ忘れているだけなのか。
元々連絡をまめにとる人でもないことを思い出し、クスリと笑みが溢れた。
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