片想いの終わりは

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ビクリと肩を揺らしてから、恐る恐る顔を上げると。 「ごめん! 待ち合わせの時間、勘違いしてたわ!」 申し訳なさそうに手を合わせる彼の姿。 「ぅ、……!」 「わ、ごめんな!……不安にしてしもた?」 多分私の顔は泣くのをギリギリで堪えている酷い顔なんだろう。 安堵と、不安が入り雑じって。 声を出すことも難しかった。 「ホンマにごめん」 何度も謝り続ける彼に、首を横に振って答える。 彼が引っ越し前で忙しいことを知っているから。 責めることなんて出来なかった。 「……行こ?」 漸く少し落ち着いてから言うと、彼も頷いて答える。 歩き出すと、然り気無く手を引いてくれて、先程とは違う意味で胸が痛くなった。 お昼ご飯を食べて。 ショッピングをして。 疲れたからカフェに入って。 気が付けば、あっという間に夕方。 ずっと一緒にいたいのに、楽しい時間はすぐに終わってしまう。
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