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「バイバイ、さゆー」 私は部活に向かう準備を始めた。 体操服に着替えて、 ペットボトルにタプタプになるように水を詰め込んだ。 あとは、道具を持てば完璧。 かるくて使いやすいスポーツバックに全ての道具を入れてある。 あとは、後ろに立てかけてある板をもって 美術室に向かうだけだ。 フーッと息を吸い込むと、鼻の奥にツンっと油の匂いがただよう。 床に散らばった紙や絵の具を踏まないように ぴょん、ぴょんっと跳ねる。 みんなから忘れ去られるような隅っこの暗い所で自分の絵を取り出す。 横に道具を並べてほっと一息をついた。 自分の好きな色を適当に並べて紙の上に直接出していく。 重なり合った色が私の想像を膨らませる。水をたっぷりながしこみ紙の上でめちゃめちゃにかき混ぜる。 絵の具の匂いにむせそうになって、窓を思いっきりあけると、 風と共にどこからともなくタバコと、鼻をくすぐるような香水の匂いがした。
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