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昼休みの時間、窓の外をぼーっのながめていると、トントンと肩をたたかれた。 そのまま無反応に窓を向いていると、 トンチンカンなことを友人が言い始めた。 「さゆってさー、八方美人なのー?」 私が驚いて固まっていると、他の友人達も寄ってきて口々に、同意するような発言をした。 意味がわからない。 「さゆさー、白川せんせーのファンなのにサイトーとも仲良くしてるってほんと?」 友人の頭のわるい発言に打ち合うのも癪だと思ったので、作り笑いをして微笑んだ。 「部活の顧問だからなにかと話す事が多いね」 と言うと、 「え、でもさー。あの、さいとーが顧問っていう時点でその部活入らなくね?」 これまた感無しな発言をするものだ。 私が美術部に入ったのはなにも、斎藤先生がいたからじゃない。 単純に絵を描くのが好きだからだ。 そう言おうとしたが、なにを言っても理解されないきがするので押し黙っていた。 それを見兼ねた1人の友人が、 「さゆって、昔から美術すきだもんね」 と、呟いた。 まだ不服そうな友人の顔を見ているのにも飽き飽きして顔をそらすとこちらの方をジッとみていた目線にかち合った。
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