キミの知らないこと。

#1

タイミングよくチャイムが鳴った。

返事を返す暇もなく慌ただしく教室に戻った。

ただ、火照った頬だけが先ほどの会話の余熱を残していた。

ヌヌヌヌ…ヌード？

え、古手川さんって、そういうキャラなの？というかヌードって誰のヌード？
わたし人物画は苦手なのに、、、、

頭の中で先ほど起こった事について整理しようとしても、そんな大きな容量をか抱えているわけのない頭はプシューッと空気が抜けたみたいになにも考えられなくなった。

ゴチャゴチャの頭の中をどうにか整理しようと、絵を描こうとしてみても、

ヌード

という言葉が邪魔をしてなにも描けなくしてしまう。

このままでは授業に集中できないと思い、

とりあえず、次の休み時間に詳しく聞こうと呑気に構えていたのだが、

なんせ、相手は人気者の古手川さん。

人がいつも周りを囲んでいた。

それに、私の友人達の鋭い瞳が彼女に話しかけることを躊躇わせた。

なかなか話せる機会は得られず、とうとう放課後になってしまった。