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カフェうつつには、常連でいっぱいになる曜日がある。土曜日だ。
僕がちょっと苦手な、たかねーという人も土曜日に来る。
最初の出会いが最悪だ。
うつつに通い出して初めての土曜日、彼女は現れた。ショートカットがよく似合う美少女で、スラリとした身体つきは雑誌のモデルのようだった。
まあ、僕は仁菜さんみたいな和み系の女性の方がタイプだけどね。
で、その美少女が僕を見るなり、
「あんた、新しいね。しかもイケメンくんじゃん。歳いくつ?」
って聞いてきた。
うわー、がっかりだよ。こんな美少女から「あんた」ってさ。
「21だけど、あんたは?」
と僕も言い返した。
「23。あんた歳下なんだから敬語つかいなよ。」
もう、典型的な猟奇的彼女だな。
「まあまあ、たかねー。そうかまいなさんな。」
千代さんが、そのお腹のようなクッションを入れる。
「いやいや、私は気に入ったんだよ?だってイケメン好きだから。ちょっと菅田将暉似じゃない?」
「そんな、言われたこと全くないすけどね。」
場の空気が「、、、」となった、苦い記憶……
だから、たかねーが苦手。
でも今日もちょっかいかけてくる。
「セシル、あんた、もう少し髪切れば?」
(確かに伸びすぎてる)
とか
「セシル、あんた、大学どうすんの。」
(確かに休学中)
とか、デリカシーなさ子なんだよな。
すると、仁菜さんが
「今日とってもいい天気だから、サンドイッチでも作ってみんなでフラワーパークでも行かない?」
と、切り出した。
それなら、と、たかねーは彼氏さんを呼び出した。8人乗りのクルマを持ってるから乗っけてもらおうって。
「言っとくけど、私の彼氏、カッコいいよ。V6の岡田くん似だから。」
たかねーの大げさな自慢かと思っていたら、
「貴子、お待たせ。」
って、うつつに入って来た彼氏さんは、ほんとに岡田くん似のイケメンだった。
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