カフェイン好きな彼

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「私、仲良く笑ってるあの二人が好きだったの」  それだけ告げると、再び目尻から涙が伝う。  彼は、今度は自分の腕の中に私を閉じ込めたので、我慢はしなかった。 「・・・なのに、院長は病院を守るためにあの男に体を許して。そのせいで、静流(しずる)君は家にも寄り付かなくなって・・・っ・・・」  ずっと、胸に閉じ込めていた思いが溢れだしてくる。一度堰を切ると、それはもう止まらなかった。 「そう、だったんですか」  この男に初めて会った時、そうやって何も知らずに母親を憎む息子―静流の姿が重なった。普段、あまり人に深入りしないようにしている自分が余計なおせっかいを焼いてしまったのは、そのせいだろう。
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