カフェイン好きな彼

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*** 「貴方もモノ好きよね」  溜め息と共に出たのは、本心とは逆の言葉だった。 「息抜きなら、別の場所ですればいいじゃない」  そう言いながら、彼の隣に座る。その瞬間、彼が眉を顰めたのが分かった。  彼は、きっと煙草が嫌いだ 「貴方、煙草嫌いでしょう?」 「分かっているのなら、禁煙すれば宜しいのでは?」 「・・・」   言外に『来るな』と言われたことが分かっているのかいないのか。  ・・・顔色一つ変えずに言う彼は、どちらにせよ同じことを言うだろう  そう答えが出た途端、彼を遠ざけようとしていた自分の言動が無意味なものだと気付いた。きっと、彼は自分のしたいようにしかしない。 「美容と健康に悪いことは、以前説明したとおりですし」  
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