上山優子1

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都市伝説って程の物じゃない。ただの学校の怪談。 七不思議の一つってレベルだ。七不思議って言っても、他の六つは知らないけど。 まぁとにかく、ただの噂。誰かが流した怖い話。 それをたまたま友人から聞いて、好奇心に駆られた私がそれを確かめに来たと。 それだけの話だ。 「夜の学校って何か出そうよね……」 「そう?暗いか明るいかの違いでしょ?」 怯えた友人が私の腕にくっ付いてくる。暑い。歩きにくい。 暗い廊下。学校の廊下。奥まで暗くて見えない。昼間に歩いているはずなのに、夜に歩くと別物に見える。 夜の学校という物はどうしてこうも暗いのだろう。街灯なんてない。足元を照らす明かりすらもない。 非常階段の電気もなく、あるのは所々にある窓から差し込む月の光だけ。
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